熊本県南小国町では毎年、稲の収穫を祝い翌年の五穀豊穣を祈る新嘗祭が催されます。その新嘗祭に地元の小国杉とつな木を使った2つのテントが設置されました。それぞれのテントは穴井木材工場(代表の穴井氏は祭事の責任者も担う。)による木材提供、九州大学岩元真明研究室による設計・組立がなされました。
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九州大学岩元研究室の学生により「片流れテント」と「巨大タープテント」の設計・組立がなされました。自分たちのアイデアをもとに試行錯誤しながら設計を行い、皆で協力しながら組み立てを行いました。木材は穴井木材工場で製材された小国杉を使用しました。
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片流れテントは単一架構の反復というシンプルな構成ながら、膜屋根部分には竹材をテンション材として活用する等、新しい試みがなされました。テントには地元の様々な店舗が出店し、野菜から衣類まで幅広い商品が並び、お祭りを彩りました。
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巨大タープテントは膜屋根を引っ張るテンション構造で構成され、柱がないダイナミックな空間が創り出されました。テントでは木製玩具のワークショップが行われ、自然と子ども達が集まり遊びを楽しんでいました。
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木の伐採時にその場で残置される枝葉や製材時に発生する端材等、本来であれば捨てられてしまう材を活用してテーブルやテントを作ることができないだろうか。捨てられた木を繋ぐ「すて木」はそのような思いで作りました。新嘗祭ではテント木材の製材時に発生した端材を用いてベビーカー置場を作るトライアルを行いました。端材はウッドチップに加工される予定でしたが、「すて木」が端材を繋ぎ全く別の価値を創り出しました。
※「すて木」は現在研究、開発中のプロジェクトで販売時期は未定です。